Akosmismus

Me, poor man, my library was dukedom large enough.

書評

シャーリイ・ジャクスン「くじ」について

完璧な短編小説とはなにか? そう問われたらわたしは悩んでからシャーリイ・ジャクスン「くじ」*1を挙げると思う。 くじ (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者: シャーリイ・ジャクスン,深町眞理子 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2016/10/21 メディア: 文庫 …

繋がれた犬に二回も咬まれるなんて

『夫婦の中のよそもの』を読んだ。著者のエミール・クストリッツァと言えば知らぬものはいない名映画監督であるが、というか、あるらしいが、ともかくわたしも名前は知っている。映画は観たことがあることになっている。でもどちらかといえばノー・スモーキ…

いまさら、いまさら翼といわれても、といわれても

米澤穂信『いまさら翼といわれても』を読んだ*1 米澤穂信の(とくにさいきんの)小説をほめるのはとても難しくて、それはいわゆる美人さんをほめるときのあの難しさに似ている。要素をつかみ出してみれば特に目新しいところはない。この鼻の曲線が……とか、こ…

読書感想文『ごん狐』(あるいは、火縄銃の煙はなぜ青いのか)

先日田舎に帰った際、久々に会った親戚の小学生(四年生)が「ごん狐」の感想文をこしらえるのに困っていると訴えてきた。 読書感想文を書くのがうまかった(内容がよい、というよりは書くスピードが速い)わたしはかれの訴えに共感できず、へえ~そうですか…

ハーラン・エリスン「死の鳥」(とすっぱい葡萄)について

愛って何か知ってる? ああ、知ってるとも。 少年は犬を愛するものさ。(「少年と犬」) ハーラン・エリスン『死の鳥』(早川書房、2016)を読んだ。 表題作である「死の鳥」を読んで感じたことを少し書く。文章が散漫なのは自覚している。直したいので気づ…