Akosmismus

Me, poor man, my library was dukedom large enough.

2022-01-01から1年間の記事一覧

人称代名詞と文法的性について

「つぎのようなシーンを考えていただきたい。ある博士がお昼ご飯を選ぼうとして食堂のメニューの前に立っている。彼女は昨日の晩ご飯がハンバーグだったことを思い出し、きょうは魚にしようと考えた。さて、このとき……」 論文を読んでいるとうえのような文章…

世界の終りの終り――叔父の遺産、南極への旅

以下は Jonathan Franzen "The End of the End of the World" の全訳である。 ジョナサン・フランゼン Jonathan Franzen は現代アメリカ最高の作家のひとりで、代表作である『コレクションズ』をはじめ複数の作品が日本語に翻訳されている。家族の悲劇と現代…

『めぞん一刻』(あるいはやきもちのパラドックス)について

めぞん一刻〔新装版〕(1) (ビッグコミックス)作者:高橋留美子小学館Amazon 0. 導入 1. 定義 2. やきもちの効用 2.1 進化論的効用 2.2 心理学的効用 3. ラブコメとやきもちのパラドックス 4. やきもちの正当性について 5. 諸三角関係について 1 5.1 (五代 …

『赤村崎葵子の分析はデタラメ』「ドネーションを分析する」を分析する

akosmismus.hatenadiary.com 続きますとかいってから一年以上が経ってしまいました。すみません。というわけで続きからやっていきましょう。今回は「分析 2 ドネーションを分析する」です。どういう趣旨の企画かは上の記事の 0. を見てください。 1. 「ドネ…

去年書いた小説について (2)

まえのやつの続きです。 桐始めて華を結ぶ 結華って「推しに一早く認知されること」が特技らしいです*1。その割に結華のことを知っているアイドルの描写ってあんまりありません。美琴も結華のことを「認知」はしてないみたいですし(「アイドル同士の会話:…

去年書いた小説について (1)

去年はむっつも小説を書きました。えらい。うちいつつはアイドルマスターシャイニーカラーズの二次創作です。二次創作は生まれてはじめてやった(ちょっと嘘)んですが、原作パワーかいつもよりみんなが読んでくれてうれしかったです。 ところで小説のあとが…